チタンについて①

チタン
チタン

当工房で使う金属はチタン。
チタンの特徴を活かした機構や、独特の色味などを出しています。
アクセサリーとしての外観はホームページ販売サイトをご覧ください。

チタンは実用化され始めたのは1946年ごろからと言われ、
比較的新しい金属です。
まだまだよく知らない方のほうが多いです。
ここでは主にチタンはどういう物か書いていきます。

以前書いた内容と重複する所もありますし、
頻繁に加工する者としての感想が入りますので、主観的で間違いもあるかもしれません。
その分、数字では解らない所が表現できればと思います。

とりあえず今回は①とし、少しずつ更新や続きを書いていきます。

JIS1~4種、他に合金があります

チタンには幾つか種類がありますが、
チタンは主に「純チタン」と「合金チタン」に分けることができます。
「純チタン」は、不純物を微量しか含んでおらず、「JIS1種」から「JIS4種」の4種類があります。

国内で多く流通しているのは1種と2種です。
2種の方が少しかたいですね。
どちらも純チタンとなります。

ねこへい工房で使っているのは、主に純チタンですが、
素材の特性が必要だったり、更に希少性を求められて、
時にチタン合金である「64チタン」を使います。

貴金属と比べるととっても軽い

純チタンは比重の数値が4.51となっており、重さは鉄の3/5程度。

銀の比重は10.53ですのでチタンは2分の1以下。
金は18金、24金等で変わりますが、
金のK24の比重は19.32ですから、チタンは4分の1以下でしょうか。
ちなみにプラチナの比重は金とほとんど変わらず、僅かに大きいです。

金属の中では軽いので、身につけていても気になりません。

チタンは硬い

検査方法でも変わりますが、純チタンの強度は鉄の2倍、アルミの3倍といわれます。
チタンにはバネ特性が強く、少し曲げたくらいでは復元します。

毎日のようにさわっている感覚では、鉄の2倍は言い過ぎな気がしますが、
流通している鉄にも沢山の種類があるからでしょう。
純度の高い鉄や、軟鉄と呼ばれるものに比べると2倍位かもしれません。
柔らかいアルミに比べれば3倍は頷けます。
反面アルミ合金は結構硬いですしね。

チタンは錆びない?

チタンには耐食性が高く、錆びにくいという特徴もあります。
中でも海水耐食性が高いと言われています。
「高い」という事は、絶対に錆びないという事ではないという事でしょう。
ですが、今の所、使用により錆たところを見たことはありません。

結構強い酸に付け込んだこともあるのですが、
数日の実験では何も起きませんでした。

アレルギーが起きない?

金属アレルギーについてはまた別に書く方がいいのでしょうが、
ざっくりと言うと、溶けた金属が体に入る事で起きます。
これは錆びにくさとも大きな関係がありますので、
とても錆びにくいチタンはアレルギーを起こしにくいと言えるでしょう。

一般とはまた少し違う規格ですが、医療用として純チタン、
合金チタンのいずれも体内に使用されています。


ただし、他の物と同じくアクセサリーとして常時身につけていると、
汚れ、雑菌によってかぶれたりする可能性はあります。
時々中性洗剤などで洗ってあげる必要はあります。

チタン合金「64チタン」

Ti-6Al-4Vと表記し、これは化学成分で、
質量分率で、アルミ(Al)が6%、バナジウム(V)が4%含まれるという意味のようです。

アメリカASTM規格では「ASTM B348 Gr5」で、Gr5と言う人もいるようです。
日本ではこの金属を知らない人の方が多いと思いますが、
日本では「64チタン」と呼ぶ人の方が多いのではないでしょうか。

チタンとほとんど同じ特性ですが、より更に硬く、若干軽い素材です。
バネ特性も更に強いです。
より高価で、加工が困難でもあります。

加工の難しさ

チタンは「難削材」に分類されます。

チタン加工の難しさは、「硬い」ためですが、数字を見ても一見わかりません。

実際にちょっと簡単な機械で削ってみると、予想した以上に削れないのです。
細かい理屈を書くと長くなってしまうので省略しますが(知りたい人も少ないと思うので)
機械を使って早く削ると、摩擦熱が機械の方に行ってしまって、
サンドペーパーにあたる部分や、刃があっという間にダメになりやすいです。
ただ硬いだけなら、もう少しマシなのですが…

加工の難しさ=機材、消耗品の頻繁な交換、加工時間の長さ
となり、加工代が上がってしまうわけです。

普通に加工するととっても高いので、ねこへい工房では安価に提供できるように日々工夫しています。
そのために逆に、通常のお店で出来そうな事は出来なかったりすることもあります。
機材に投資しすぎない事も安価にする一因だからです。


「64チタン」は純チタンに比べて体感で倍以上加工が難しく、
(ねこへい工房では)コストが合わなさ過ぎて行わない加工も多くあります。

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