64チタンについて

チタン
チタン物づくり

当工房では主に純チタンを使用していますが、
特に弾性(バネ力)が欲しい時や、まれに製作しているナイフなどには64チタンを使用しています。
刃物は専門ではないので、アクセサリーの一種として製作しています。
純チタンや64チタンの一般的な事は以前書きましたので、
チタンについて① | コブログ(ねこへい工房。のコブのブログ) (urus-fehu.com)
ここでは64チタンを作品として使った時の感想が主となります。

そういった内容ですので、時々内容を追加していく予定です。

純チタンより高性能、高価、悪いのは加工性

64チタンはチタン合金の一つで、中でも「溶接加工」が出来る素材です。
純チタンより更に硬く軽い素材で、価格も高価です・・・。
発色については、微妙な違いで純チタンとほとんど変わらないのではないでしょうか。

純チタンよりほとんど全ての事で優れている64チタンですが、
「加工性」がとても悪いです。

実際に触ってみても不思議なのですが、機械を使うほど加工のし難い素材です。
例えば、高性能バイクのマフラーに使われているのですが、
転倒して64チタンのマフラーが地面擦れると、
簡単に傷が付いていきます。

そのくせ、この傷を電動の回転工具等で削って奇麗にしようとすると、
なかなか削る事が出来ず、削る工具の方が先に痛んでいきます。

工具が痛むというのはざっくりとした表現ですが、
熱が素材ではなく、機械の方に来る感覚です。
64チタンの熱伝導率が理由の一つだと思われますが、
伝導率と比重の軽さの兼ね合いで、伝導率単体の数字では理解しにくい感じです。

それなりに色々な固い金属を加工した事があるのですが、
64チタンはとても独特で、説明のしにくい違和感があります。
どの方法でも加工が難しく、加工代が高いのもうなずけます。

刃物としてのチタンと64チタン

刃物として使った時の純チタンも一般的な鉄よりも硬いですが、
刃物用ではない、建材などに使われるステンレスに近い硬さです。
現代の刃物としては、柔らかく感じます。
鋭い刃付けをするとすぐに刃が痛むので、
ペーパーナイフとして作る事が多いです。


64チタンを使った場合は、現代の刃物としても通用する硬さがあります。
通用するというだけで、特別硬いわけではありません。
当然弾性が高いので、基本的に折れるようなことはなさそうです。

どちらかと言うと柔らかい方ですので、摩耗しやすい代わりに研ぎやすい特徴があります。
しかし特有の弾性の高さと相まって、
研いだ時に「カエリ」が出やすいです。
この研ぎやすさは案外重要で、研ぎ直して使うには悪くないバランスだと思います。

純チタンも64チタンも非常に錆びにくいので、
海や川での使用にも相性がよく、
めったに使用しないという場合も出してみると錆びていたという事もありません。

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