現状をいっきに変えるジャイアントジャンプと実際

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ジャイアントジャンプは頑張っても出来ない

会社員としてもの作りをしていた時に出会った目標設定のジャイアントジャンプ。
(当時聞いた呼称で、一般的には他の呼称があると思います)
上手く行けば大きく進める事が出来る快感に夢中になり、
日々試行錯誤していました。

こんにちは、ねこへい工房のコブです。
ビジネス本や架空のきらきらした話ではなく、
チタン工芸作家(底辺)の私の経験が伝わればと思います。
価値観に合った生き方には成功していますが
所詮は収入的には(ど)底辺の人間が書いている事ですので、
気楽に読んで下さい。

ここでいうジャイアントジャンプとは、
頑張っただけではクリアできない数倍の目標を立てる事で、他の方法を探させる目標設定の事です。
他の方法を探させることが目的と分かれば、
ジャイアントジャンプの捉え方が変わります。

どのような手法も「現状」からスタートするのであって、
実際には繊細に「今打てる手」を探し出す地道な作業です。
前回上げたような、例えば「人を雇う」という事(誰でも思いつくような)を実現するにも、
初めての場合はきっと多くの手順を調べる必要があります。
当時一社員の作業者としてとれる方法は非常に限られていたので、
限られた枠の中で探すことが逆に良い経験でした。

どうしたって重箱の隅をつつくような探し方をするしかないし、
見落とされがちな事を探したり、
手段が少ないからこそ皆がしないような裏技的な事を考える事になります。

制限のある状況の方がアイデアが出るという側面があります。


制限のある中で現状より成果を大きく上げようとした時、実際はどういう動きになるのか。
主観的な視点で切り取った話なので実際とは少し違う所もあるかと思いますが、
ものづくりで生産性を上げるためにジャイアントジャンプを使っていた時の話です。

具体例①・道具の使い方を検証する

当時の作業に溶接がありましたが、中でもTIG溶接機の使用法を研究しました。
特に時間のかかるアルミ溶接を時短したく、平均で同業者の3~5倍のペースで製作出来るようになりました。
横の繋がりで聞いた範囲では他社の誰もやっていない方法で、
スピードの面だけではだれにも負ける気がしませんでした。
質の面では専門性が分かれていたり、あくまでスピードに限定すればという話です。
退社して何年もたった頃、ネット上で1件同一の方法を使っている人を見つけました。
可能性として「私が教えた人から伝わった可能性」もなくはないですが、
まあそんな事は無いでしょう。
そうなら最高に誇らしいのですが。

関わりの無い方にはピンとこないかもしれませんが、
プロ用の機械にも新しい機能が年々増えていくものです。
古い機械にはない機能を応用したものです。
当時はまだ誰もやっていない方法の、もしかしたら僕も最初に発見した数名の一人かも知れません。
そして年数が経つにつれ珍しくない方法になるのでしょう。

この場合まずこの機械を手足のように使うまで(ちょっと大げさですが、職人さんとは多かれ少なかれそうしたものでしょう)習熟し、
もう頑張るだけではどうにもならない所をどう超えるかという流れです。
3~5倍はジャイアントジャンプと言っていいと思いますが、
フワッとしたイメージや思い付きではなく、こうした地に足の着いたものが重要だと思います。
方法は秘密にした方がいいとしても、
他の人が同じことをはじめても、また同様に進めて何か見つけられるからです。

具体例②・工程を細かく分け、時間を測って時短が出来るか検証

場合によっては秒単位で短く出来る方法を探していきます。
10秒早くなる方法が5工程あれば50秒短くなります。
10個作る場合は8分時短できます。
ちょっと短くなるだけですよね?

でも私は同僚が10秒時短の方法を見つけたら、素直にすごいなと思います。
ほぼ完成された手順を10秒短くするのは大変な事なのです。
こうした探す姿勢の積み重ねが、どこかで大きく時短の方法を発見します。

それにもし1時間に10個だとしたら、1時間仕事して8分は休める余裕があるという事です。
休まなくても、それだけ余裕をもって作業できれば疲労度や失敗を少なく出来ます。

複数名で行う場合は工程をどこで分けるのかにも貢献できるし、
経営者であればどこを外注するのかに影響するでしょう。

具体例③・工程自体を無くす事は出来ないか検証

何らかの方法で工程自体を無くしても、問題のない仕上がりになる方法を探します。
これが成功すれば大きく時短できるので、見つかれば最強の技の一つです。
例えば簡単な例では、グラインダー(削る道具)の当てる方向や角度で
バリ(カエリ)を出さないように工夫してバリ取りの工程を省くなどです。

当時許された範囲だと治具の見直し、治具の製作がかなり有効でした。

これは権限の大きい人ほど打ち手は多いですよね。

結果として大きい敵を倒す

もし冒険者だったとして、強くて大きい敵を倒す時どうしますか?何か方法や弱点を探しますよね?
ジャイアントジャンプも実際にはそうした積み重ねが重要だと感じます。

現状を大きく変えたい時、多分一般的には誰かに頼む、
上司、社長に頼むといった方法を思いつくと思います。
出来るならそうした方が楽です。
では出来ない場合は?
諦めてベイビーステップをするのも良いです。
ベイビーステップはさらに重要だと思います。

それでもジャイアントジャンプしたい時、
その大きく現状を変える方法は博打や思い付きではなく、
地に足の着いたものだという事を思い出してください。
きっと打ち手が見つかります。

意外に上手く行かない

ここまで書いておいてなんですが、思いついた新しい方法、
新しい治具は意外に上手く行かないことも多いです。
更に上手く行っていない事に気付かない人も多いです。

思いついた方法が良いはずというバイアスがかかるので、
常に時間を測って検証していました。
体感での早さと、実際の早さは大抵乖離している事を
モータースポーツが好きな人なら良くわかるかもしれません。
何らかの競技のような感覚で時計を使って進めるのです。
肉体的にもスポーツのような、又は仕事である以上趣味で行うスポーツ以上に疲労すると思います。

疲労しますが時計は嘘をつきませんので一定の効果が出ます。
問題はこれらの疲労する行動をなかなか取れない事です。

仕事だからこそ出来ない

僕自身は夢中で様々な効率化を探して検証を続けていましたが、普通は自発的にそこまでしません。
疲れるからです。

見た範囲ですが周りの作業者は
「出来るだけ省エネで時間を過ごす」という事を人知れず行う事が多いです。
サラリーマンだからです。
それをバカにしたり、ダメだなどと全く思いません。
そうして温存し、残業を沢山する事でお金を得る必要があるのです。
スポーツのようなテンションでこの長時間を労働すると、ほとんどの人は体を壊します。

僕もずっと頑張っていたというわけではなく、
効率化することで楽に仕事を出来る時間をかなりいただいたのですが、
それでも向いていなかったのか色々と体を痛めました。

痛めた原因は、詰めていけば自分の内面の問題も大きいと思いますが。

夢中だったのにお勧めしないのは

製造の現場でジャイアントジャンプを(勝手に自ら)取り入れるのはとても勉強になり、
楽しくもあったのですが、何か強い原動力が無くては難しいと思うのです。

当時は結果を出しても上司には認められないことに意地になっていたり、
いつか会社を辞めた時のために経験値を上げたかった事など、
通常の数倍の結果を求めて無理をする理由が自分の中にはあったのです。

ジャイアントジャンプはまじめにやると当然負荷が大きいです。
失敗の可能性も高いわけですが、自分のメンタルを育てる面でこれがリスクになります。
自虐的だったり自暴自棄だったので使えたとも言えます。

本来は大切な「自分」ですから、小さな一歩を進めていく
「ベイビーステップ」で自信をつけていく方が安全確実です。
また、ジャイアントジャンプも
「ベイビーステップ」を理解していないと上手く行かないと思っています。

具体例①~③で伝わっているか分かりませんが、
自分の内面にも注意が必要な、繊細な作業です。
そもそもベイビーステップで自信を付けていかなくては、
大きい目標に対して無意識に拒否感が出ます。
「頑張る」では出来ない事をしていくのに、拒否感が出ていては
そもそもやりたくない事を頑張ってやる羽目になりますし、
無意識に自分で失敗するように行動します。

当時一応はベイビーステップで成功体験を重ね、自信を付けようとしていました。
その上でジャイアントジャンプを利用し、
「どんな状況でも打開できる方法は必ずあり、自分にはそれが出来る」
そんなメンタルを作る必要があったのです。

当時の私は、「このまま会社にいたらしぬ」と思っていました。
実際にそうなったかは分かりませんが、
しぬことと同列で苦しい事と感じていました。

事実かどうかではなく「そう感じていた」事が重要で、
自分がひどい社会不適合者であり、
いずれ会社を辞めて、今後他の会社にも行くことが出来ない未来が来ると思っていました。
そうなると組織に属さずお金を得る必要がある、
その時のために無理をしてでものメンタルを作っておきたかったのです。

何か強い動機が無いのであれば、
わざわざ失敗時の「自分は立てた目標がクリアできない」
等の自己イメージを持ってしまうリスクを負う必要はありません。
それでももしやってみるならば、「動機を作る」事は有効かもしれません。
私が追い詰められていたように、「こうなったら嫌だ」等の思考で、
「やるしかない」という気持ちに持っていく事です。

嫌だという感情を利用したテクニックで強い力を持っていますが、
ネガティブな感情を使うのでしんどいです。
その意味でも、可能なのですがお勧めしません。

それでもお勧めするとすれば

何らかのテクニックをお伝えする時、「やってみてください」で締めたいものですが、
書いてきた通り手放しで勧められるものではありません。

でも今、社会不適合者の私がお金はそんなにないものの
何とか理想としていた生活を続けられているのは
ジャイアントジャンプで得た経験が大きいのは感じています。

「可能な限り自分の力で生きていく」
当時簡単に言うとそうした希望を実現したかったのですが、
ジャイアントジャンプに熱中した時間が無ければ私には難しかったでしょう。
実際には自分だけで何でもできるわけもなく、
お客様の存在以外にもハンドメイドの販売サイト様等が無ければ成立しないのですが。
もちろんインターネット時代だからハードルが下がったという事もあります。

現実面では色々あるにしても、
まず「それが出来る」というメンタルや
「そちらに行こう」と舵を切る決断は必要です。

そうした状態にない場合はまずそのメンタルを作る事になるので、
高すぎる目標設定でメンタルを破壊して欲しくないのです。
「もうどうにもならない」そんな追い詰められた状態でなければあえて使う必要はなく、
逆に追い詰められた状態であれば起死回生の手段となるかも知れません。

何度か書いたように私は今ジャイアントジャンプを使っていないですが、
「他の方法を探す」という要素は常に意識しています。
結果を無理目の大きな数字にするストレスをかけていないだけです。

他の方法を見つけても、その方法はやりたくないということがありますよね。
価値観に合わない事をすると幸福感が下がります。
ジャイアントジャンプを使っていた目的は先程の通りで、
会社を辞めた時点で一旦役目を終えているのです。

要素は何度も書いた通りですので、状況によって打ち手は大きく変わります。
ほとんどの人は何らかの制限があると思います。
この制限が発見やアイデアを生む一因です。
何の制限もなく、また性格を考慮しない場合は皆同じ答えになるのかも知れませんが、
実際はそうなりません。
私が私の状況では最高の結果を出したと言えますが、
他の人、他の状況では全く違う行動を取るでしょう。
もし読まれたあなたが出した答えであれば、きっとあなたにとって最高の結果だと思います。

いつかまたやりたいと思えば、私もジャイアントジャンプを使うかもしれません。


本業はチタン工芸家です。
アクセサリーが多いです。
よろしければ一度見てやってください。

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