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最近は苦しかった会社員時代に試したことばかり書いて、精神的にちょっと苦しいのですが、
今回は以前からやってみたかった自作缶スプレーです。
丁度パーツクリーナーが2本空いていたのでこれを使います。
バルブも家にある廃棄予定の物。
材料費は試したくて購入する板金用フラックスセットのみです。
写真を撮っていないのでテキストメインで申し訳ございません<(_ _)>
部品やフラックスを複数試したので、楽な方や安価な方など参考になさってください。
決め手はフラックス
以前知り合いがハンダのメーカーで働いていると聞いたので質問してみたのですが、
「フラックスで決まる」と言っていました。
ハンダ自体はそう重要ではないと。
雑談の中で100%言葉の通りではないかもしれませんが、
例えばアルミ溶接でも表面の酸化被膜を除去しなくてはどうにもなりません。
同様に酸性のフラックスでステンレスの酸化被膜を落とすことで、ステンレスのろう付けが可能なようです。
今回は2タイプのハンダと2タイプのフラックスを試しました。
①バルブを加工
バルブも2タイプ試します。
今回どちらもバイク用です。
1つは廃棄予定の「チューブタイヤ」のバルブ分を切断して使用します。
↓こういうタイプの物です。
Amazon | バイクパーツセンター(Bike Parts Center) タイヤチューブ 3.50/4.00-8 L型バルブ 7991 | チューブ | 車&バイク
L型の金属部分を、先端から短く真っすぐの部分、曲がるまでの所で切ってしまします。
金属部分は金鋸で切断可能です。
切断はハンドグラインダーで行ったので、こうした道具があれば下記のバルブの加工より楽です。
2つ目は家にある「チューブレスタイヤ用バルブ」を加工します。
こちらはバイク用の上、特に短い物ですが、自動車用と構造は同様の物です。
↓同タイプの物です。
Amazon | autoservice オートバイ 二輪車用チューブレスバルブTR-412 CL(パッキン付CLキャップ)1PC(2個入)太平洋工業.PACIFIC | エアバルブ | 車&バイク
ゴムをカッターや金ハサミで切り、取り切れない部分をバーナーで焼きます。
コンロでも十分対応できると思いますが、ゴムを焼くので臭いは出ます。
バーナーは画像の物、ホムセンで購入可能なもので十分です。
金属を切断する手段がない場合はこちらが楽です。
![](https://blog.urus-fehu.com/wp-content/uploads/2024/04/DSC_0436-1024x678.jpg)
どちらの場合もろう付けする部分、端の5~10mmをサンドペーパーなどで一応削っておきます。
僕は仕事で使うリューター使用ですが、ここはサンドペーパーなどで十分と思われます。
中の虫ゴムと呼ばれる部品も外しておきます。
付けたままだと後の作業でゴムが溶けてしまします。
②実は重要穴あけ
空のパーツクリーナー缶にポンチで凹ませ、ドリルで3㎜程の下穴をあけ、
次にバルブの直径に合わせたドリルで開けます。
中に削り粉が入らないように、缶に対して下から開けると良い感じでした。
しかし一つは穴のサイズが若干大きく、ろう付け時に隙間がふさがり難かったです。
意外にもこの穴のサイズが決め手のようで、キツキツにすべきでした。
今回の実例に関しては決め手はフラックスと書いたのは嘘という事になりますね(-_-;)
③A・家にあった電子用フラックスと電子用ハンダでろう付け
板金用のフラックスが届くまで我慢できず、
非板金用でも試して比較することに。
電工用に持っていた安価な物。
↓は使用したものとは違いますが、同タイプだと思います。
結果としてはろう付け可能です。
電工用のメリットはフラックスに酸が含まれない又は弱いようで、素材を痛めません。
ハンダも電子用です。
ハンダは丁度「電子用として良い物」しか手元になく、
今回の用途では無駄かつ十分に効果があるようです。
![](https://blog.urus-fehu.com/wp-content/uploads/2024/04/DSC_0453-1024x678.jpg)
使用したバルブはチューブレスタイヤ用の物。
ろう付け部分の直径が細いです。
非常に薄いので、理屈では加熱しやすく、ろう付けしやすいはずです。
ろうが少し盛り上がって見えます。
フラックスの効果でろうが密着することを「濡れ」というようです。
これが甘く、フラックスが効いていない分部があるのだと思いますが、
予想に反して気密性はあり、板金用を待たずして成功です。
漏れているとしても数日で少しずつ漏れるレベルと思われます。
状態の良くない理由の一つは、バーナーでろう付けしたからかもしれません。
パワー充分の100wのハンダごてを使ったのですが、
使い慣れたバーナーの加熱スピードの誘惑に負け、
数分でバーナーに切り替えました。
缶の塗装等に誘引して煤が出ているように見えました。
写真にも焦げている様子が見えます。
これが不純物となっている可能性があります。
③B・板金用フラックスと板金用ハンダでろう付け
↓板金用で検索して購入。
Amazon | 白光(HAKKO) SUSSOL-F 金属用フラックス 20ml ヤニなしはんだ付き(20g) 81-01 | ハンダゴテパーツ
酸で表面をクリーニングする、という事のようです。
場合によっては作業後に水で洗浄して酸化を止めるようですが、あまり良くわかりません・・・。
どうもアマゾン上の説明と、メーカーの説明が違うようですし・・・。
いずれにしろ使ってみてナンボと思うのでやってみます。
綿棒で広めに塗布し、接合位置にセット、はんだごてを当てます。
今度こそはんだごてで慎重に進めたいところ。
でもすぐ飽きてバーナーにチェンジ(あれ?)。
バーナーのパワーは偉大です。
あっという間に熱が上がり、板金用のハンダをバルブに押し当てると溶け込んでいきます。
やはり焦げ、煤が見られますが、問題なく「濡れ」ているので、
板金用フラックスの効果だと思います。
酸でバルブの色が結構変わったので視覚からも効果を感じます。
こちらの缶の穴は若干大きく開いており、一度ろう付けした後に空気を入れてみると漏れます。
そして再加熱してハンダを追加している作業中に缶の中にバルブが落ちてしましました…。
漏れやすく落ちやすいダブルパンチなので、小さめの穴にねじ込むのが良さそうです。
また、ハンダを無駄に溶かし込むせいで、溶けたハンダが缶の中に落ち込んでいます。
液体と空気をつめると、スプレー使用時にハンダのかけらが出てくるときがあります。
![](https://blog.urus-fehu.com/wp-content/uploads/2024/04/DSC_0452-1024x678.jpg)
失敗はあるものの、見た目上の仕上がりはこちらの方が正解ですね。
ろう付け位置の注意点
![](https://blog.urus-fehu.com/wp-content/uploads/2024/04/9fa91c9521b45e396fb4ea5d867ef2db.png)
使用時に押される部分(軸と言えばいいでしょうか)は樹脂製で、他に↑の画像で逆流防止弁の部分も樹脂パーツかゴムが入っていそうです。
熱で簡単に壊れそうです。
ろう付け位置がここに近いので、実は失敗すると思っていたのですが上手く熱コントロール出来たようです。
皆さん裏の凹んだ面(底面)に加工する人が多いようで、その方が成功しやすいと思います。
今回の位置にバルブを付けるのは、スプレーに充填しやすいとか、
僕の環境だと底面だと使いにくい可能性があったからで、
エアプですが通常は底面が良いかと思います。
今回の位置だと穴あけもポンチ当然ですし、比較的開けにくいです。
底面だと中心に勝手にドリルが向かいそうです。
自作缶スプレーの使いどころ
![](https://blog.urus-fehu.com/wp-content/uploads/2024/04/DSC_0451-1024x678.jpg)
長年バイクと親しんで来た僕としては、これはそう便利なものでもない事は知っています。
空気を詰め込んで再利用ですが、購入時と違って使用可能時間が短いのです。
今回作った1番の理由はのは「ろう付け」をしたいからです。
元々溶接屋だったのですが、ろう付けはほとんど経験がありません。
ろう付けすべきものでも無理して溶接してしまいます。
仕事で溶剤、例えばシリコンオフなどを霧吹きに入れていますが、
プラ製の霧吹きは屋外など環境が悪いと揮発が進みます。
もし室内に保管すると帰宅時に臭います。
健康に良くなさそうです。
自作缶スプレーはもっと密閉性が高いので、揮発で減っていく事が無い上、
室内保管も問題ありません。
脱脂用の溶剤などには非常にマッチしているように思います。
「分」では出来るが改良点
今回「秒」で出来るように最適解を出して投稿しようと思ったのですが、
缶が2本しかなかったために十分な答え合わせは出来ませんでした。
ですが予想よりは上手く行ったので、数十分あれば十分出来る作業です。
特にバーナー使用時は熱する時間が短く、数十秒かと思います。
反省点から次回やってみたい改良は
・穴はぎりぎり
・バルブの方にのみバーナーを当てる
・少量のハンダにする
前述のように缶の方にバーナーを当てると煤が出たり
逆流防止弁を痛める可能性があります。
バルブの方は多少オーバーヒート気味でも問題無いようだったので、
熱したバルブから缶に熱を加えてみたいです。
この辺は染みついた溶接作業の癖で、両方にバーナーを当てたくなるんだなと。
やってみたかったという事はこうした違う要領に気付きたかったのでしょう。
好奇心の一種ですね。
(追記)後日
毎日のように空気を入れて試用してみたところ、
まず次の日には「A型」が一見わからない程度に空気が抜けていっている事が解りました。
空気を入れた状態で放置すると、次の日は抜けています。
きっとハンダの濡れが悪かったせいでしょう。
「B型」ですが、数日はA型より明らかに密閉性が高かったのですが、
1~2週間ほどして変化が現れました。
A型同様に次の日には抜けています。
濡れは良かったものの、隙間が少し大きかったせいかと想像しています。
こうも早く劣化するのは想定外の事です。
無くて困るアイテムでもないので、面白いという気持ちの方が強いです。
機械があればリトライしたいところです。
本業はチタン工芸家です。
アクセサリーが多いです。
よろしければ一度見てやってください。
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